噛み合わせ治療

噛み合せ治療

噛み合わせの大切さは以前より言われてきましたが、最近の研究では、ただ単に顎の問題に留まらず、体全身への影響があることが分かってきています。
当院の噛み合わせ治療は、単なる歯の噛み合わせを診るのではなく、全身的に生じる体の歪みや噛みグセ(片咀嚼)などにより生じるいろいろな症状(顎関節症、難聴、肩こり、腰痛、顔面の変形など)を種々な検査器機を使用して、科学的に噛み合わせの問題点を分析診断しています。

その結果によって、適確な治療法(スプリント治療や片咀嚼を改善するためのゴムチューブやガムを使用した噛み訓練などを行い、改善を確認してから、被せ物や詰め物の材質、治療方法)を選択し行っています。

噛むこととは、ただ単に物を食べるだけの目的で行われるだけではなく、ストレスの発散や噛みグセなどの行為にも関係しています。

異常な噛み方は、体の歪みや、認知症などの脳への影響、難聴などの耳への影響を起こす原因にもなっていることが研究により分かってきています。

ひらい歯科医院では、噛み合わせに関係する検査を行い、それぞれの症状に即した治療法を行っています。

噛み合わせの治療は、個々人によって歪みの量や症状が出るまでの経過時間に差があるために、治療の改善までに掛かる時間は異なります。悪くなるまでに時間がかかった人の場合は、階段の例えで言えば、急に改善する事は稀で、改善に必要な時間は、それなりに必要になります。

急激な変化は体のほうが受けいれずらく、体に急な負担を強いなければ、時間はかかりますが必ず症状の改善はなされます。
ただし、噛み合わせの治療は、リハビリ治療と似ている点があり、特に器質的変化、つまり顎の関節に形態的な変化がある場合には、完全治癒は難しく、治癒の判定を70%程度の改善とします。

噛み合わせ治療で利用する検査器機について

当医院で噛み合わせ治療で利用する検査機器についてご説明いたします(尚、どの装置を利用する必要があるかについては患者さまの状態により異なります)。

  • 歯科用CT
    顎関節症における顎関節部の状態(関節の形態変化、位置異常)などの把握検査で利用します。
  • 咬合診断検査器(バイトアイ)
    生理的咬合(弱めに上下の歯を噛み合わせた状態)による専用のバイト材の30ミクロンの厚みの際の噛みあわせの状態による、全体の歯の接触状態を判定する検査です。
  • 聴覚検査器(オージオメーター)
    昔から噛みあわせと耳の疾患との関係は言われてきました。噛みグセ(片咀嚼)などが存在すると歯に関連している音(例えば、奥歯は低い音に、真ん中の歯は、中域の音、前歯はすごく高い音に影響している)つまり、噛んでいる部分の歯の音が聞こえにくくなるという理論により、どこでいつも噛んでいるか、片咀嚼の有無が判定できます。
    その結果により噛みグセや片咀嚼などが疑われた場合には、スプリント治療や噛みグセの修正を目的としたガムやチューブを使用したトレーニング治療を併用していきます。

 

噛みグセと難聴について

最近になり噛みグセと難聴の関連性が指摘されてきております。

噛みグセ(片咀嚼)と難聴との関係はあまり歯科界では知られていませんが、15年以上前から一部大学においては、研究が行われてきました(fMRIを利用した研究など)。
特に老人性難聴は、耳鼻科においては老化によるものと判断され、治癒が難しく補聴器への指導が通常となっております。しかし、当医院で使用する聴覚検査器機のデーターを基に咀嚼訓練や噛み合わせの治療を行うことにより老人性難聴の約40~50%に少なからず難聴の改善が見られ、中には正常の範囲に改善する人も少なくありません。他の難聴においての結果は、多くの人に難聴の数値の改善が認められてるのが現状です。

これは、何を意味するかと言うと、少なくとも難聴の人の約4,5割は噛み合わせが関係していることを示唆しており噛みグセを知らないで長期に渡って放置していると、噛み合わせが原因の難聴を発症する可能性があるということです。

この場合、耳の疾患を治すことが目的ではなく、バランスよく噛めることにより、歯自体にも体自体にも良好な状態を維持していくことが健康に生活できる基盤を作ることにつながっていきます。

当医院ではオージオメーターによる聴覚検査器を利用し、このケースに該当するかの検査を行うことも可能です。詳しくはオージオメーターによる聴覚検査を参照ください。